読書感想文で入賞するには、感情の変化をしっかり描く文章構成と、審査員の心をつかむ表現の工夫が欠かせません。
入賞作品には、実はこんな共通点があるんです。
項目 | ポイント |
---|---|
本選び | 感情が動きやすく、自分の体験とつなげやすいテーマ |
構成 | 冒頭でつかみ、中盤で感情の変化、最後は学びや目標で締める |
表現 | 五感を使った描写と、リアルなエピソードで臨場感を出す |
推敲 | 誤字脱字ゼロ、語尾のバリエーション、読みやすいリズム |
特に審査員が「おっ」となるのは、この3つ。
- 冒頭のインパクト(セリフや擬音でグッと引き込む)
- 自分の経験とのリンク(リアルな場面を描くことで説得力アップ)
- 最後の一文の余韻(読み終わった後も心に残る言葉)
例えば、こんな感じです。
悪い例:「主人公はすごいと思った」
良い例:「主人公が海を渡った瞬間、心臓が高鳴って全身が震えた」
つまり、感想文は「何を感じたか」だけじゃ足りないんです。
どう感じたか、なぜそう感じたかを具体的に書くことが勝負の分かれ目なんですよね。
このあと本文では、入賞を引き寄せるための具体的な書き方や表現テク、準備と練習のコツまで全部お話しします。
じっくり読めば、今年の感想文はきっと入賞レベルまで引き上げられますよ。
読書感想文 入賞のために押さえる基本のコツ
読書感想文 入賞のために押さえる基本のコツについて解説します。
ここでは、受賞経験者や審査員経験者が語る「勝てる感想文」のポイントを、具体例とともにお伝えします。
①受賞経験者が実践する読書感想文の黄金ルール
入賞する作品には、共通する「型」があります。
これは審査員にとって読みやすく、かつ印象に残る文章の流れです。
黄金ルールのポイント:
項目 | 内容 |
---|---|
書き出し | インパクトのある一文から始める(セリフ・擬音など) |
本の概要 | 必要最小限にとどめ、あらすじはダラダラ書かない |
感情変化 | 「読む前」と「読んだ後」の変化をはっきり書く |
体験談 | 自分の経験と結びつけて説得力を持たせる |
まとめ | 本を読んで得た学びや今後の目標で締める |
ポイントは「自分の変化」を主軸にすること。
たとえば「戦争は怖いと思った」だけでは弱いですが、
「祖父から聞いた戦争体験を思い出し、平和を守る行動をしたいと感じた」ならグッと印象的になります。
これ、私も学生時代に使っていました。
審査員って“変化のストーリー”に弱いんですよね。
②入賞に直結する本の選び方とテーマの決め方
テーマ選びは、半分勝負が決まると言っても過言ではありません。
本選びを間違えると、感想文の材料が乏しくなり、平凡な内容になってしまいます。
選び方のコツ:
- 感情が動きやすい物語(友情・家族愛・挑戦など)
- 主人公や出来事に共感できる要素がある
- 分厚すぎず、細かすぎない本(最後まで読めるかが重要)
おすすめテーマ例:
ジャンル | メリット |
---|---|
友情物語 | 共感しやすく感情変化が書きやすい |
動物もの | 命や責任について深い感想が生まれる |
冒険・挑戦 | 自分の目標や将来像と結びつけやすい |
私は小学生のころ、犬が登場するノンフィクションをよく選んでいました。
感情移入しやすく、書きやすいんですよね。
③感想を深めるための読書メモ活用術
読みながら思いついたことを、その場でメモするのが超重要です。
「どこで心が動いたか」を後から思い出すのは意外と難しいものです。
メモの取り方例:
- 付箋を貼って感動したページに印をつける
- その横に短く感情を書き込む(例:「涙出た」「笑った」)
- 読み終わったら付箋の場所をもとに構成を考える
メモは簡単でもOK。
重要なのは、感情の瞬間を逃さないことです。
④構成の型と文章の流れをマスターする方法
感想文は自由に書けそうで、実は流れの型を意識したほうが読みやすくなります。
おすすめ構成(4段構成):
- 冒頭:印象的な一文やセリフで始める
- 本の概要:必要最小限のあらすじ
- 感情の変化:読む前と後でどう考えが変わったか
- まとめ:学びや今後の目標
段階 | 書く内容の例 |
---|---|
冒頭 | 「『うそだ!』と叫んだのは初めてだった」 |
本の概要 | 友達を助けるために主人公が危険を冒す物語 |
感情の変化 | 自分も友達のために勇気を出そうと思った |
まとめ | 困っている人に手を差し伸べる自分でいたい |
⑤審査員の心をつかむ冒頭文の作り方
審査員は、何百もの作品を読みます。
そこで、冒頭数行で「おっ」と思わせることが大事です。
効果的な冒頭例:
- セリフ:「『行かないで!』と私は叫んだ」
- 擬音語:「ドンッと胸が鳴った」
- 質問形式:「もし明日、大切な人がいなくなったら?」
私も審査経験がありますが、冒頭が平凡だと読む気が半分落ちます…。
⑥あらすじより感情変化を重視した書き方
長々とあらすじを書くのはNGです。
必要最小限にして、自分の感じた変化に重点を置きましょう。
悪い例:
主人公は村で暮らし、友達と遊び、ある日事件が起こり…
良い例:
主人公が友達を守る場面で、私は胸が熱くなった。
自分なら怖くて動けない。
でも彼は迷わず前に進んだ。
その姿が、弱気な自分の背中を押してくれた。
⑦最後のまとめで印象を強く残すテクニック
最後は審査員の記憶に残る一文で締めます。
「きれいごと」でも大丈夫。
むしろプラス評価になりやすいです。
まとめ例:
- 「この本からもらった勇気を、これからも大切にしていきたい」
- 「平和を守るために、私ができる小さなことを続けていく」
ゴールを感動で締めると、作品全体の印象が2割増しになりますよ。
読書感想文 入賞を引き寄せる表現力アップ法
読書感想文 入賞を引き寄せるためには、文章そのものの魅力を上げることが必要です。
ここでは、審査員の目を引きつけるための表現力アップの実践ポイントを解説します。
①形容詞や「〜と思う」を封印して大人っぽい文章に
小学生や中学生の感想文で多いのが、「すごいと思った」「悲しいと思った」というパターンです。
これでは感情が浅く見えてしまいます。
代わりに、事実+感情の理由で表現します。
悪い例:
主人公はすごいと思った。
良い例:
主人公が一人で海を渡ったとき、全身が震えるほどの勇気を感じた。
形容詞の代わりに使える表現の例:
よくある形容詞 | 替えられる表現例 |
---|---|
すごい | 息が止まるほどだった / 心臓が高鳴った |
悲しい | 涙が頬を伝った / 胸が締め付けられた |
楽しい | 笑いが止まらなかった / 心が軽くなった |
「〜と思う」を封印するだけで、文章がグッと大人っぽくなりますよ。
②自分の体験やエピソードを鮮やかに描く
入賞作品は、読者の頭に情景が浮かぶ文章になっています。
そのためには、自分の体験を具体的に描写することが重要です。
例として「勇気を出す」というテーマで考えてみます。
悪い例:
勇気を出すことは大事だと思った。
良い例:
小学3年生の夏、プールの飛び込み台の上で足がすくんだ。
下から友達の「行け!」という声が響いた瞬間、深く息を吸って飛び込んだ。
水しぶきと一緒に、胸の中の不安も弾けた。
こういう生き生きとしたエピソードが、感想文を一気に魅力的にします。
③情景や色彩を感じさせる言葉選びのコツ
文章の中で、色や音、匂いなど五感を使うと情景が鮮明になります。
審査員は「その場にいるような感覚」を味わえる作品に引き込まれます。
五感を使った言葉の例:
- 色彩:真っ赤な夕日、深い群青色の海
- 音:カランコロンと鳴る下駄の音、ゴオオと吹きつける風
- 匂い:焼きたてのパンの香り、夏草の青い匂い
ただの「きれいな景色」より、「夕日に染まったオレンジ色の川岸」の方が、ずっと心に残ります。
④セリフ・擬音語を効果的に使う方法
会話や音は、文章に臨場感とテンポを与えます。
セリフを使うときのポイント:
- 感情が動いた瞬間の言葉を選ぶ
- 誰の言葉かがすぐ分かるようにする
- 必要以上に多用しない(1作品で3〜4回が目安)
擬音語の例:
- ドキドキ(心臓の高鳴り)
- ザアッ(雨や波の音)
- ガタン(物が落ちる音)
「ドンッと胸が鳴った」という一文は、それだけで印象に残ります。
⑤具体例で説得力を高める構成テクニック
意見だけの文章は説得力に欠けます。
意見+具体例のセットで書くことで、読み手は納得しやすくなります。
例:
主人公が挑戦する姿に感動した。
例えば、誰もやりたがらない役割を自ら引き受け、最後までやり遂げた場面だ。
弱い文章 | 強い文章 |
---|---|
優しいと思った | 雨の中でずぶ濡れの犬を抱きしめて家まで運んだ姿に、心が温まった |
⑥読み手を引き込む文章のリズム作り
文章は長短を混ぜることで読みやすくなります。
短文でテンポをつけ、長文で説明や描写を加えると、読者は飽きません。
例:
風が冷たかった。
でも、その冷たさが心地よく感じられるほど、私は走ることに夢中になっていた。
同じ長さの文章ばかりだと、機械的な印象になってしまいます。
⑦誤字脱字ゼロにする推敲と見直しの習慣
どんなに内容が良くても、誤字脱字が多いと減点されます。
見直しのポイント:
- 文章を声に出して読む(リズムや違和感に気づきやすい)
- 1日寝かせてからもう一度読む
- 第三者(家族や友人)に読んでもらう
チェック表を作るのもおすすめです。
チェック項目 | 確認 |
---|---|
誤字脱字はないか | □ |
同じ語尾が3回以上続いていないか | □ |
主語と述語の対応が正しいか | □ |
推敲は面倒に感じますが、このひと手間で完成度が一気に上がります。
読書感想文 入賞を目指すための準備と練習法
読書感想文で入賞を目指すには、書き始める前の準備が勝負の半分です。
ここでは、選書から練習方法まで、結果を出すためのステップを紹介します。
①スケジュール管理と効率的な下書き作成法
感想文は計画的に進めることで、内容が深まります。
夏休みの最終日に慌てて書くと、どうしても浅い文章になりがちです。
スケジュール例(2週間計画):
日数 | 作業内容 |
---|---|
1〜3日目 | 本を選んで読む(1回目はざっと) |
4〜5日目 | 付箋やメモをもとに再読 |
6〜8日目 | 構成メモ作成、下書き開始 |
9〜11日目 | 下書き完成、加筆修正 |
12〜13日目 | 推敲、第三者チェック |
14日目 | 清書・提出 |
下書きの段階では、完璧に書こうとせず、思いついたことを全部書き出すのがコツです。
②感想のタネを日常から集める習慣づくり
本を読むだけで感想を作るのは難しいこともあります。
普段から感情が動いた瞬間をメモする習慣をつけておくと、感想文のネタになります。
感情メモの例:
- 「友達に励まされてうれしかった」
- 「部活で失敗して悔しかった」
- 「家族と夕焼けを見て安心した」
日常の小さな感情は、感想文で使うとリアルさが増します。
③図書館や書店での効果的な本の探し方
本選びの段階で、感想文の方向性が決まります。
探し方のコツ:
- 表紙やタイトルで直感的に惹かれた本を手に取る
- 最初の数ページを読んで、ワクワクするかを確認
- 登場人物やテーマに共感できそうか考える
図書館では司書さんに「感情が動きやすい本」を聞くのもおすすめです。
④過去の受賞作品を分析して学ぶポイント
過去の入賞作品を読むと、審査員が求めている文章の傾向が見えてきます。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
- 冒頭のつかみ方
- 感情の変化の描き方
- 体験談の使い方
- まとめ方の特徴
他人の良い部分を真似して、自分らしくアレンジすると文章力が一気に上がります。
⑤家族や友人に感想文を読んでもらう効果
第三者の視点は、自分では気づけない弱点を教えてくれます。
感想をもらうときの質問例:
- 「読みやすかった?」
- 「印象に残った部分はどこ?」
- 「もっと知りたいと思ったところは?」
フィードバックは修正の宝庫です。
⑥応募前に必ず確認すべきチェックリスト
提出前の最終確認は、入賞への最後の関門です。
チェック項目 | 確認 |
---|---|
文字数は規定内か | □ |
誤字脱字はないか | □ |
書式(行数・段落)は守っているか | □ |
題名は適切で魅力的か | □ |
冒頭と結びが印象的か | □ |
これを怠ると、内容が良くても減点されることがあります。
⑦入賞後に次につながる経験の活かし方
入賞したら、それは次のステップへのスタートです。
- 入賞作品を保存し、次回の参考にする
- 他のコンクールや作文にも挑戦する
- 感想文で得た文章力を日記やブログに活かす
書く力は、一度つけたら一生使える財産です。
読書感想文で確実に入賞を狙うコツまとめ
読書感想文で入賞するためには、本選び・構成・表現・推敲の4つを押さえることが大切です。
ポイント | 内容 |
---|---|
本選び | 感情が動きやすく、自分の体験とつなげられるテーマ |
構成 | 冒頭でつかみ、中盤で感情の変化、最後は余韻を残す |
表現 | 五感を使った描写やリアルなエピソードで臨場感を出す |
推敲 | 誤字脱字ゼロ、語尾の変化、読みやすいリズム作り |
特に意識したいのは、この3つです。
- 冒頭のインパクトで一気に引き込む
- 自分の経験とのリンクで説得力アップ
- 最後の一文の余韻で心に残す
さらに、「何を感じたか」より「どう感じたか」を具体的に書くことが入賞への近道です。
今年はこのポイントを全部押さえて、審査員の心に残る感想文を仕上げましょう。
書き終えたときの達成感も、入賞したときの喜びも、きっと忘れられない経験になりますよ。